血は受け継がれて・・・

5月の上旬でした。

三田市ニュータウンK地区にお住まいの方からの相談。

庭の物置で子猫の声がするけどどうしたらいいのかわからないと。

この方は猫も犬も飼われたことがなく、何をどうしたらいいのか途方に暮れておられました。

すぐに駆けつけると、既成の物置の扉が少し開いていました。その奥に小さな生き物が見えたと言われていました。

その何日か前から1匹の猫が庭のデッキの上に現れてずっと家の中を見ていたそうです。

恐らくその猫が母猫で、少し開いていた物置の扉の中へ入り奥で出産したと推測されました。

このお宅では餌をやられたこともなかったのですが、しばらくはそっとご飯と水を倉庫の少し開いた扉の内側に置いてやってもらえますかとお願いしました。

というのも、生まれたての子猫にはやはり母猫の力が必要です。母乳で育ててもらって体を舐めてもらって排便排尿と促し処理してもらって・・・

これを我々ボランティアがやるとなると、もちろん母親の育児には及びませんし人手もミルク代もものすごく負担が大きいのです。

ここは母猫に美味しいご飯をたっぷり食べてもらい、ちゃんと子育てしてもらって離乳時期に母子共に保護して母猫は不妊手術を、できれば子猫は保護をという予定でした。

猫と縁のない人に餌やりをお願いして承諾してもらえるか不安でしたが、快く承知して下さいました。

そこからこの方と私のメールのやりとりが約1ヶ月続き、その数も30通を超えました。

いよいよ母猫を保護して手術をしようと捕獲器を仕掛けたのがこの写真です。

そして捕獲器に入ってくれていたのは、別のオス猫さんでした。

長毛の猫さんは明らかに人間に飼われていた元飼い猫の子孫。長毛の野良猫は外では生きて行きにくいのです。可哀想にこの子も長い毛にはたくさんの毛玉ができ、汚れていて皮膚は清潔を保つのが大変そうでした。若いうちはまだいいのですが、ちょっと体調を崩したり年老いてくるとたちまちグルーミングが出来きれなくなって悲惨な姿になります。

このオス猫さんのお顔を覚えていてくださいね!実はオチがあります。

このオス猫さんをTNR(捕獲して去勢手術して放す)し、引き続き母猫の為にご飯を置いておいてもらっていました。

6月に入ったらこの地区から市や我々にも、近所で母子猫の姿を見かけるがどうかしてやれないかとの相談が複数。

母猫はどうやらこの地域の複数のお宅の庭を間借りさせてもらいながら、必死で子育てをしていたようです。

その写真がこちらです。

右下が母猫で、あとの3匹が子猫たちです。

みなさん、もうお分かりですよね!!この子達のお父さんは先日倉庫で捕獲器に入ってくれた長毛のオス猫さんでした。

3匹とも長毛の遺伝子を受け継いでいますし、それより何よりお顔が瓜二つ!!

地域の方が立ち上がって、「三田市飼い主のいない猫の不妊手術費補助金制度」を利用してこの親子の不妊手術に取り掛かって下さいました。

まずは母猫さんの不妊手術です。写真ではわかりにくいですが、不妊手術をした印に左の耳にV字のカットを入れてもらいさくらねこ(不妊手術を終えたねこ)の仲間入り。3日間療養の上、無事にリターンしました。

お母さん猫は子猫のことを何日間かはずっと鳴いて探していたと地域の方からの情報。お母さんの辛い気持ちを無駄にしないよう子猫たちは頑張って優しい里親さんを見つけてやろうと心に誓いました。

現在の子猫たちの写真はこちらです。

3匹ともモフモフで尻尾はボンボリ。ぬいぐるみのように愛らしい姿です。

保護当初はお父さん猫の激しい気性を受け継いで、なかなかの暴れん坊子猫でしたが今は少しずつ人馴れしてきて、黒猫のスミちゃん♂は抱っこされてゴロゴロ。

後の2匹も続けと朝晩ハグして人馴れトレーニング頑張っています。

姿も気性も脈々と受け継がれ、外で頑張るお父さんお母さん猫の分までどうか幸せになって欲しいものです(タカハタ )

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