捨てる神あらば拾う神あり

昨年10月はじめごろに三田市ニュータウンA地区のある相談者(Aさん)から電話がありました。

庭に来る猫を子猫だと勘違いし、可哀想に思ってご飯をあげていたら子猫を産んで4匹連れてきた。

隣の庭へも行き来し、猫が嫌いな隣人から文句を言われたので引き取って欲しいとのこと。

当会は猫の引き取りはしませんと一旦はお断りしたのですが、何とか力になって欲しいと何度も電話をかけてこられました。

我々も助けたいのは山々ですが、当時時期的なこともあり預かり猫でいっぱいな上に、TNRしなければいけない案件も山積みで泣く泣くお断りした次第です。

しかし、断るだけではその親子猫たちは救われませんので、何とか手術をしたり医療にかけたりして里親を探す方向へと話をもって行きたかったのですが。

当初は1〜2匹なら預かれる、母猫は面倒をみるなどと言われていたけれど、手術や保護のための初期費用(ウィルス検査やワクチン等)のお話になると逃げ腰。

堂々巡りで話は前にいかず、年金の話まで持ち出し、とにかくお願いしますの一点張り。

拉致があかず、その後連絡が途絶えていました。

私の頭からその親子猫たちのことが片時も離れませんでしたが、日々の仕事や活動に追われ日にちだけが過ぎて行きました。

そして11月の初旬、同地区の別の方(Bさん)から相談のお電話が。

親子5匹の猫を保護したのですが、手術等アドバイスを頂きたいと。

写真を見せてもらったら何と10月に相談を受けた親子猫たちだったのです。

この相談者さんが庭に出ると車の下に親子5匹が揃っていたそうです。

お腹を空かせている様子だったので和室のサッシを開けて中にご飯をおいてやると数珠つなぎに5匹が入ってきて、必死でご飯を食べたそうです。

結局この親子猫たちは元餌やりのAさん宅を追い出され、路頭に迷い街を彷徨っていたのです。

Aさんは猫を手術するにも保護するにも費用がかかることを知って、ご飯をやるのをやめて追い出すという選択をされたのです。

それより何より、私は10月の時点でこの親子猫を救えなかった自分の不甲斐なさや非力さで胸が苦しくて苦しくて・・・

このお母さん猫はどれほど大変な思いをしたことでしょう。

信じていた人間に捨てられ追い出され、4匹の子供を抱えてどれだけの時間をご飯を求めて歩き回ったことでしょう。

車の多いニュータウンの地区、活発な子ネコを怪我や事故から守り抜いてBさんの家にやっとたどり着いたのです。

母猫の何と偉大なこと!!

Bさんにも感謝の気持ちでいっぱいです。

その後Bさんの娘さんの頑張りで、何とハッピーなことにお母さん猫も含めて4匹が優しい里親さんにもらわれて行きました。

最後の1匹、キジトラのキーちゃん♀も先日里親探しの猫カフェ「猫結び」さんhttps://www.neko-musubi.comに移籍して、たくさんの仲間と楽しく過ごしながらずっとのお家を探してもらうことになりました。

お母さん猫も避妊手術をして、今は先住猫さんに温かく迎え入れられ幸せに暮らしています。

下の写真はお母さん猫(左)が先住猫さんにグルーミングしてもらっているところです。

他の子達もみんな幸せに暮らしています。

このお母さん猫に敬意を表したいと思います。

本当に立派です!!

最後まで諦めずに頑張ったから今日の全員の幸せがあったのです。

捨てる神あらば拾う神あり・・・と、そんな言葉で片付けたくないのですが、まさにそんな形の出来事でした。

野良猫のお母さんは本当に言葉なんかで表現できない苦労をして子育てをしています。

自分が食べなくても子供には授乳し、ご飯を与え、危険から守り育てて行きます。

それでも交通事故や天敵や病気から守りきれないで子供を亡くすことも多々あります。

年2〜3回の妊娠で体はボロボロです。

体が病んでいても妊娠しますし、病んだお母さんから生まれた子はやっぱり病んでいる子が多い。

猫風邪で目や鼻が塞がりかけていたり先天性の病気を抱えていたり、体が弱っている上にノミやシラミに犯されガリガリに痩せていたり。

そんな可哀想な命が生まれないように、やっぱり野良猫の不妊手術は必要だと思います。

全頭を保護して助けることが出来ないから、TNR(捕まえて、不妊手術をして、元の場所に戻す)を頑張るしか現状ないのです。

さぁ、これから子猫が続々と生まれる季節がやってきます。

出来る限りは保護して里親探しの努力をします。

頑張ります!!(タカハタ )

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