命のバトン

お盆直前に入った相談の案件。

会社に1匹の野良猫が来て、去勢手術をして病気も治して助けてやりたいけどどうすればいいかと。

すぐに捕獲器をお貸ししたら、相談者さんは翌日動いて下さりとても順調にその野良猫を捕獲出来ました。

当時の姿がこの写真です。

見るからに口に問題を抱えており、毛繕いが出来ない為に身体中が汚れてボロボロでおまけにガリガリに痩せている。

捕獲は出来たものの去勢手術に伴う全身麻酔に果たして耐えられる体力があるのかどうか。

場合によっては少し療養の上、時期をみて手術を考えることになりそうかなと思いました。

色々なケースを想定しながらまずは「のらねこさんの手術室」へ連れて行きました。

お医者さんもこの子の全身の様子を見ながら慎重に進めますと言って下さいました。

皆さんのお陰で手術は無事に済み、口の中の状態も診察して頂き、できる処置は全てしてもらいました。

消毒、抗生物質、インターフェロン、ビタミン剤の投与。

身体中の汚れも、取れにくいところは毛剃りし、あとは消毒液で拭いてもらいました。

そして預かりスタッフのKちゃんのところへ。

手術以降は、Kちゃんが心を込めてお世話し、相談者のYさんもしょっちゅう様子を伺うメールを。

手術後、市内の病院へ口の状態やウィルスチェックにも行き、「トラくん」が猫白血病だということも判明。

「トラくん」をこれからどうしてやるべきか、答えが出ないまま日にちは過ぎて行きました。

私たちは本当に悩みに悩んでいました。

そこへ、相談者のYさんからトラくんをリターンせずに一生我が家でお世話してやりますという連絡。

私とKちゃんは嬉しくてありがたくて号泣しました。

それからというもの、トラ君の表情は一変し穏やかで可愛い表情になったのです。

まるで何もかも分かっているようでした。

先日、Yさんとお母様がトラ君を迎えに来られました。

この男性がYさんで、後ろがお母様、そしてYさんの腕に抱かれているキャリーの中にトラ君がいます。

Kちゃんが一生懸命お世話し、Yさんが後を引き受けて下さいました。

まさに命のバトンが引き継がれました。

Yさんのお母様の言葉、「弱っている生き物を放っておくようなことは絶対にしてはいけない」

神様の言葉のように感じました。

こちらはYさんのお宅に行き、準備してもらったケージの中で一息ついたトラ君です。

ものすごく穏やかで落ち着いて嬉しそうなお顔です。

あんなボロボロだった子がこんなにもカッコいい猫さんに変身!!

この活動をしていて色んなことがありますが、こんな嬉しいことはありません。

これまでで一番輝いて、嬉しくて、忘れてはいけない出来事でした。

Yさん、どうかトラ君を末長くよろしくお願い致します(タカハタ )

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