重い課題・・・高齢者の餌やり
つい最近まで半袖で過ごしていましたが、一雨ごとに肌寒さが増してきました。
そんな秋の日に1件の相談のメールが入りました。
若い女性からで「祖母が認知症になり母と共に祖父母宅を訪問することが増えてきたが、どうやら祖母は野良猫に餌をやっていてその野良猫が複数家の周りにいる。母はこのまま野良猫が増え続けるとご近所にも迷惑がかかるのでなんとかしたいが、何をどうすればいいか悩んでいる」と。
老夫婦はお二人暮らしで、どうやらおじいさんも認知症でを患っておられるそうだ。
実はこのお宅に猫がたくさんいるという情報を入手し、今年の春に私はこのお宅を訪問していました。
その時は、お婆さんが出てこられ「うちには猫はいません」と。
庭には昼間なのに猫の姿がちらほら。
そして庭先には猫缶の空き缶がゴミの袋にいっぱい入れて置いてあった。
ちょっと変だなと思いましたが、猫はいないと言われている以上しつこく尋ねるわけにもいかず、その日は帰ってきました。
そのお宅の案件だったのです。
年老いてしかも認知症を患っておられるご両親のことを心配し、猫をなんとかしなければと相談してこられた娘さんとお孫さん。
早速、認知症のお母さまを説き伏せる努力をして頂き、協力してもらいながらTNRを実施しました。
こんな風に、とっても長閑な風景。
お婆さんに愛情いっぱいでお世話されているせいか、みんな人間を信用していて逃げない。
捕獲器を設置したら次々入ってくれました。
そして成猫4匹子猫2匹の手術とワクチンを終えました。
保護できた子猫はこの2匹です。
まだこの日現れなかった成猫2匹と子猫2匹が残っていますので、引き続き市内に住む娘さんが様子を見て下さっています。
認知症の老夫婦ということを考えると、この場でリターンした猫さんたちはいつまでこの場所で餌をもらえるのでしょうか。
それを考えると子猫だけでも里親を探してやらなければと思いました。
兼ねてからさんだねこCLUBを応援して下さっていた人から、「どうしても子猫の譲渡先が見つからなかったら2匹は引き取りますよ」という声をかけていただいていたのを思い出し、連絡をしてみたら快諾。
不妊手術とワクチン、それにウィルスチェックも済ませてその日に受け入れて頂きました。
早速送られてきた2匹の写真です。
感謝しかありません。
それにしても高齢者の餌やりさんの抱える野良猫問題は本当に悩ましいです。
不妊手術をしてもいつまでご飯をあげ続けてもらえるか、このご夫婦がここに住めなくなられた時にここの野良猫さんたちは誰にご飯をもらえるのか。
この家がなくなったらどこに住むのか。
心配は尽きません。
このようなケースは市内に多々あると思います。
そこでご提案ですが、ご高齢者の餌やりさんに限らず、猫や犬を飼っておられるご高齢者の方は、その子たちのために使えるお金を準備しておいて下さい。
この子達に使えるお金があれば、いざという時に託せる施設もあります。
誰かに引き取ってもらう時もその子たちのために使ってもらえるお金があれば、開ける道もあります。
周りの人もこのことをお勧めしてあげて下さい。
大切な家族だというならばそういう備えをしてやって下さいと。
人間誰しも命に限りがあります。
自分がお世話を出来なくなった後の猫たちのことをしっかり考えて、その日に備えて下さい。
どうかどうかよろしくお願いします(タカハタ )